「1兆ドルコーチ」。マネージャーやリーダーなどの管理職の方はぜひ読んでみて

ビル・キャンベルとは

1兆ドルコーチという本を読んだので、感想を書いていきたいと思います。

なるほど。どんな本なの?

AmazonやGoogle、TwitterやAppleなどの超一流企業の幹部たちを育てた、ビル・キャンベルという人について書いた本だね。

ビル・キャンベルとは誰?

フルネームはウィリアム・ヴィンセント・キャンベル・ジュニア。元アメフトの選手で2016年に75歳で亡くなった人だよ。
アメリカンフットボールのコーチをしていた人なんだけど、セールスに転身して、今言った数々の錚々たるビジネスマンから「ビルがいなかったら成功できなかった」とまで言われる、ものすごい人だ。

どんな風にすごいんだ?

そうだね。簡単に言うと、ハートの熱い人だ。

ハートの熱い人?どういうこと?

質問が多いな。これから本の感想を伝えながら答えていくからよろしくな。

ああ。わかりやすい説明を頼むぞ。

。。。


フットボールからビジネスマンへ

ビル・キャンベルはコロンビア大学でフットボールをしていた。選手として活躍した後は、フットボールコーチとして働いていたんだ。
フットボール選手は体格がいいのが当たり前だけど、ビル・キャンベルは身長178cmで体重は75kgと小柄だったそう。
でも渾身のプレート持ち前のセンスで信頼を得てキャプテンとなり、コロンビア大学を優勝に導いたんだ。

175cmって小さいよね。フットボール界ではどれくらいが標準なの?

185cmくらいは普通なんじゃないかな。
ビルがそれくらいの身長を備えた体格があれば、プロのフットボール選手になっていただろう、という人もいたらしいよ。

でもフットボールコーチとしては大きな成功は得ることはできず、39歳の時にビジネスの世界に入ったんだ。

どんな仕事?

広告会社だったらしいよ。
ビジネスの世界で活躍しているときにアップルから声をかけられ、西海岸のシリコンバレーに行ったんだって。
そこでマッキントッシュのセールス・マーケティング副社長になり、アップルに大きく貢献したんだ。

フットボールコーチからアップルの副社長ってすごいね。

そうだね。
そこでスティーブ・ジョブズとの信頼関係を築き、これはジョブズががんで亡くなるまで続いたんだ。

いい話だね。

その後もビルはビジネスの世界で活躍する。クラリスやGO、インティユイットといった会社のCEOを務めるなど活躍したんだ。
その後、ビル・キャンベルはコーチとして働きはじめ、Googleのスタートアップに大きく貢献した。

やっとコーチという言葉が出てきたね。

うん。
ビル・キャンベルが元フットボールコーチという泥臭い仕事をしていたこともあって、最初はコーチングというものがそもそも受け入れられなかった時期もあったみたい。
今もそうかもしれないけど、技術者っていうのは人からやり方などを指図されるのを嫌がる人が多いからね。

なるほど。
でもやっぱり、元フットボールコーチがAppleやGoogleで働くなんて、それだけですごいと思う。

ああ。
でもビル・キャンベルは結果を残した。実際に彼がコーチングしたCEOはすごい会社ばかりだ。
Apple、Google、Twitter、Facebookなど。

やべえ。誰もが知ってる大企業じゃん。

そうだね。
いっぱしのフットボールコーチが、こんな大企業の中で活躍できた理由を、一部ここで話したいと思うよ。

早くしてくれ。

。。。


ビル・キャンベルが求めた資質

ビル・キャンベルは言うんだ。
コーチングを受ける側の人間、必要な4つの資質を。

妙に芝居がかった喋り方だな。一体何なんだ?

。。。
以下の4つの資質が大切だと思っていたんだ。

  • 正直さ
  • 謙虚さ
  • あきらめず努力を厭わない姿勢
  • 常に学ぼうとする意欲

なんとなくわかるよ。実際にこういう姿勢を身に着けるのは難しいけどね。

そうだね。
コーチは相手が見えていない部分に気付かせるのが重要なんだ。

相手の自己認識を促すということだね。

そうだね。
この自己認識を促すためには、コーチ自身もコーチングを受ける側も、正直さがないとだめだよね。
そしてコーチングを受ける側は特に、謙虚さが求められると思う。

ああ。生意気な奴はコーチングなんかしてやりたくないからな。

まあね。
あとビル・キャンベルは「すべきことを指図しない」ということもしていたんだ。
すべきことを指図しては、相手の成長にならないからね。

そこは「努力を厭わない姿勢」と「常に学ぼうとする意欲」にかかわってくるね。

そうだね。
成長する人というのは、自ら学ぶ人だよね。
当たり前のことなんだけど、ビル・キャンベルはが言うと重みが異なって感じるね。

また芝居がかったセリフだな。次行こうぜ。

。。。


やさしい組織

人を大切にするためには、人に関心を持たなくてはならない
ビル・キャンベルが残した言葉だ

当たり前だと思うが、何なんだ?

。。。
ビル・キャンベルは一緒に働く仲間の家族にも関心を払っていたんだ。
だからというわけじゃないけど、ミーティングはいつも雑談で始まっていたらしい。

雑談は大事だっていうよね。たくさんビジネス書も出てる。

ああ。
同僚の家族との交流もあり、同僚の子供がサッカーの試合をするという話を聞くとアドバイスをしたり、また別の家族には資金援助などもしたんだって。

資金援助はすごいね。ちょっとやりすぎな気もするが。。

うん。でもビル・キャンベルには相手をサポートしたいという強い気持ちがあったから、それは表面的な援助ではなく、心からのサポートだったんだ。

なるほど。

このような同僚のことに興味を持つ、つまり人に興味を持つことで、そのチームが強くなり、会社が強くなると、ビル・キャンベルはわかっていたんだ。
このことは、この本を読んでて印象に残ったね。


最後に

もう最後なのか?

ああ。

めんどくさくなったんだろ。

否定はしない。
とにかくこの本を読んで、人を育てるのはとても難しいことなんだってわかったよ。

もっと書けよ。

いや、終わりにしよう。
最後に言いたいことは、マネージメントをしている人にはぜひ読んでほしい本だと思ったんだ。

しょうがねえな。
確かにマネージメントしている人は、部下たちが成長してほしいと考えているはずだからな。

部下が成長すること。そうだね。
人を助けてチームとして成長することが、その組織いわば会社の成長になるってことが、とてもよくわかった本だったよ。