はじめに
樺沢紫苑氏の「INPUT大全」を読んだ。
昨年発売された「OUTPUT大全」も読んだが、どちらも読みやすかった。ひとつひとつのセクション(節)が短くまとめられていて、大体が2ページで構成されている。
そして図がたくさん盛り込まれていて、とてもイメージがしやすい。内容が細かく分けられているため、後から読みたい個所を簡単に探すことができるようになっている。
著者の樺沢紫苑氏も言っているが、辞書のようにそばに置いておいて、気になったときに手に取って広げてみるというようなこともできる。
読みやすく書かれていたけれどもかなりのボリュームがあり、1450円(税別)では安いと感じてしまうほどだった。
本書を読んで、たくさんの気づきと知識を得ることができた。そしてさまざまなインプットに関わる実践方法が書かれていた。それらの中から僕なりにピックアップして皆さんにお伝えしたいと思う。
ニュートラルにインプットする
樺沢紫苑氏はYouTubeでも情報発信をしていて僕はそれも見ているのだけれど、彼がよく言う言葉にニュートラルという言葉がある。本書でもその言葉が使われていた。
使われていた言葉は見出しの通り、「ニュートラルにインプットする」という言葉なのだけれど、これが印象に残った。印象に残った理由はインプットに関わらず重要なことであると思ったからだ。
僕自身、物事を先入観を持って見てしまう癖がある。自分自身への反省も込めて、この「ニュートラルにインプットする」をピックアップした。でも僕と同じような気持ちを持っている人は多くいるのではないだろうか。我々人間は、何かと先入観を持って物事を見てしまうものだと思う。
心のどこかで、「こうであってほしい」と願う気持ちが存在していて、本(ときには人)は違うことを言っているのだけれどもそれを受け入れられなかったり、または自分のいいように解釈してしまうときはあるのではないだろうか。
「共感」という言葉とも関連があると思うのだが、何事も、「このように考える人もいるんだな」や、「なぜこのように考えるのだろう」といった感覚で情報と向き合えれば、すんなり自分の知識として受け入れることができる。
「こんなことは許せない」や「自分ならこうは考えない」などといったような見方をしていては前に進まず、自己成長はしないだろう。
女性は共感を求める
INPUT大全にこの言葉が書かれていて意外であったが、僕にはとてもためになる言葉であった。
高草木陽光氏が書いた「なぜ夫は何もしないのか なぜ妻は理由もなく怒るのか」という本を参考図書として、樺沢氏は女性の共感の話を取り上げていた。
僕は根っからの男性脳なのか、誰かに相談したり何かを訪ねたりするときは常に何かしらの答えを求めていると思う。しかし、女性の場合は答えやアドバイスを求めているわけではなく、共感してほしいと思っているのだ。
自分の過去を思い返してみると、女性に何かを相談されたとき、「こうすればいいんじゃない」みたいなことを言っていたような気がする。思い出してとても恥ずかしくなってしまった。
本書にはこう書かれていた。
男性はアドバイスを求め、女性は共感を求める。これを知って、実行するだけで男女関係はものすごくうまくいきます。
さっそく実践に移しているが、女性との人間関係が良くなるかはわからない。だけど知識としてこの言葉は常に持っていたいと思ったし、それがこの言葉をピックアップした理由だ。
見ない
これは休憩時間の使い方に関わることだ。
「見る」ことで我々人間はエネルギーを消費している。だから、休憩時間には目を閉じて何も見ないで過ごすことも有効であるということだ。これで集中力が回復する。
スマホが世の中をダメにする、なんて言葉を過去によく聞いた覚えがあるが、なぜなのか理由がわからず聞き流していた。しかし樺沢氏は理由をちゃんと説明していて、スマホからは大量の情報が入ってきてしまい脳が疲労するため、休むときにはせめてスマホから離れるべきだ、と説いている。
これで合点がいった。
僕はスマホをよくいじる方ではないので特に意識はしていなかったが、今では休憩時間はスマホだけでなくパソコンからも離れるようにしている。会社では目をつぶって休憩時間を過ごし、午後の開始のチャイムを待っている。そのおかげか、午後の遅い時間になっても、集中力は多少保たれるようになったと思う。
最後に
本記事ではたった3つだけしかピックアップしていないが、INPUT大全にはたくさんの知識や実践方法が書かれている。前述したが、図やイラストが描かれていたり、ひとつのセクションが短くまとめられているので、読書が苦手な人でも絶対に読める本だ。
作家はなかなかメディアには顔を出さないものだと僕は思っているが、樺沢氏はYouTubeで毎日動画発信をしているし、自分の顔を外に出すことを躊躇っていない。そのせいか、本の内容も疑うことなくニュートラルに読めるし、説得力もあるように思う。
決してインターネットに顔を出していない人や本名を使っていない人を批判するわけではないが、僕自身もこれからの情報発信において、よりオープンなマインドで取り組んでいきたいと思っている。