「人生がときめく片づけの魔法」から生き方のヒントを得る

近藤麻理恵(こんまり)さんについて

近藤麻理恵さん(以下こんまりさん)は片づけコンサルタント。この本を手に取るときこんまりさんのプロフィールを見て、「片づけコンサルタントって何?」と真っ先に思ってしまった。でもその名の通り、片づけのコンサルタント。片づけについてお客様に改善提案をする仕事だ。

ここでこの「人生がときめく片づけの魔法」から印象深かった言葉を引用したい。こんまりさんが自分自身のことを指して言った言葉だ。

じつをいうと、私は今でも、自分自身には自信がありません。まだまだ若くて経験も浅いし、足りないところだらけの自分に嫌気がさすときもあります。

こんまりさんはアメリカの雑誌であるTIMEの「世界で最も影響力のある100人」に選ばれた人だ。そんな人が「自信がない」と言っても信じがたいが、彼女は言葉を下のように続ける。

けれど、自分の環境には自信があります。
~~中略~~
(自分の持っているモノやおうちやまわりの人たちといった自分の置かれている環境は、)少なくとも私のとっては、一つ残らず、本当に大好きで愛おしくて大切で、素晴らしいものに囲まれて生きているという自信と感謝の思いがあります。

なんて愛のある言葉なんだろうか。

こんまりさんは、たとえ生命が宿っていないモノであっても、「いつも守ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えるようにしているという。

彼女はそんな自分を、「小さいころから他人と信頼関係を築く経験に乏しかったので、モノとの関係を大切にするようになったのだと思う」と語る。

この言葉が本当かどうかは関係なくて、たとえモノであってもないがしろにせず、大切に扱う気持ちを持っていることが本当に素敵だ。

この「人生がときめく片づけの魔法」を読んで、印象に残った言葉を書きとめたいと思う。

 

ときめくかどうかで残すか捨てるか選ぶ

モノを残すか捨てるか見極めるときも、「持っていて幸せかどうか」、つまり、「持っていて心がときめくかどうか」を基準にするべきなのです。

「ときめくかどうか」でモノを残すか捨てるか判断する。ここにもこんまりさんの想いがあるのです。

本を読み進めていくと、「モノに感謝をする」という言葉が出てきます。いろいろなモノが無ければ僕らの生活は成り立たないわけで、言い換えればモノのおかげで豊かな生活ができているとも言えます。

そんな僕らを支えてくれているモノたちに、こんまりさんは「感謝をする」ということをこの本で書いています。

ときめかないモノは使わない可能性がかなり高いし、使われないモノは可哀そう。

使われないでずっとタンスや押し入れにしまわれているよりかは、そのモノに感謝をして、「今までありがとう」という言葉をかけて手放してあげる、ということまで書いてありました。

このときめくかどうかというのは、モノに対して心と心で向き合う作業だともいいます。

モノに対しても想いを伝えることを大切にして、モノに対してどれくらいの感情を感じるのか真剣に考えることが、この「ときめくかどうか」という言葉の背景にあるのです。

 



本をストックし過ぎない

本を手元にストックしすぎないほうが情報の感度は上がります。

僕はIT業界で働いている人間なのでこの言葉はすぐにピンときました。

本を買って放置してしまうということはあると思います。本の読み時は、本を買ったその時なのです。

読まずに放置して、「いつか読むだろう」や「いつか勉強するだろう」と考えている参考書などは、まず読み始めることはないです。こんまりさんもこの本でそうおっしゃっていました。

特にIT業界はテクノロジの進化が日進月歩なので、半年も放置してしまったら「古い情報」になってしまうというのは多々あります。

そして読まずに放置している本が周りにおいてあると注意散漫になります。そういう意味でも、本はストックし過ぎない方が情報の感度は上がると思います。

本は読みたいときに買う、ということが大切だと感じました。

 

過去に対する執着と未来に対する不安

捨てられない原因を突き詰めていくと、じつは二つしかありません。それは「過去に対する執着」と「未来に対する不安」。この二つだけです。

モノを捨てられないときの原因を、こんまりさんは上のようにいいます。

僕はこの言葉に大賛成でした。

他のビジネス書でも、「過去を顧みず」や「未来を考えすぎるな」というような言葉はよく聞きます。これもその通りだと思います。

過去は変えられないし、未来も予測できない。

過去に縛られていても前に進まないし、未来を考えすぎても前進が遅くなってしまう。

未来を考えることを全否定はしません。キャリアプランやステップアップの目標などを考えることは大切だと思います。

でも、未来を考えすぎては「不安」などの負の感情が多く沸き上がってしまうと思うのです。

片づけにおいても、モノを捨てるときには、そのモノと決別をするべきなのだと、こんまりさんは言います。昔の彼氏の写真や手紙などはもってのほか、と付け加えられて書かれていたほどでした。

過去への執着を捨てることで、前へ進むことができるし、たとえば前述した「前の彼氏のモノ」だとしたら、これを捨てることで新しい出会いが生まれるかもしれない。もっと言えば、過去に執着してしまっているがゆえに、いい出会いや新しい発見があっても見逃してしまっているのかもしれないのです。

未来に対しても同じ。考えすぎて「これはいつか使うかもしれない」なんて考えていても、その「いつか」はやってこないだろうし、未来への不安を捨てて、「その時考えればいいんだ」という前向きな姿勢で生きていった方が絶対にいい。

過去や未来への向き合い方の話が、片づけの本から出てくるなんて面白いですね。

 

後書き

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

こんまりさんこと、近藤麻理恵さんが書いた「人生がときめく片づけの魔法」。僕の今まで読んだ本の中で、ベスト3に入る本となりました。

嘘はつきません。

まだ読んでおりませんが、「人生がときめく片づけの魔法2」が出版されています。

「いつか」ではなく、「読みたいとき」に購入し、読んでみたいと思っています。その際は、またこのブログで感想を書きたいと思います。

それでは皆さま、また別の本でお会いしましょう。