「1分で話せ」から相手を考える姿勢を学ぶ

前書き

Yahoo!アカデミア学長の伊藤羊一氏が書いた、「1分で話せ」を読み終えた。

孫正義の後継者を育てるプログラムである「ソフトバンクアカデミア」で、CEOコースで年間1位を獲得した人だ。

伊藤氏のプロフィールを読んでいたら、東京大学卒だということを知った。その上でこの本から得た気づきを一言で表現すると、「シンプル」であることが一番大切なことなのだと感じた。

例え高学歴の人でも、わかりやすい言葉を使うということだ。

本記事の感想も、できるだけ簡単な言葉を使って書きたいと思う。

 

自分のエゴを捨てる

一番最初に一番大切なことを書きたいと思う。

本書のいたるところにちりばめられているが、僕が一番印象に残っている個所は下記だ。

信頼を得るためには、まずは自分たちのエゴを捨て、相手の課題に向き合い、ニーズに応える。ひたすらこれを続けていれば、必ず商売に結びつきます。

僕らは何かをプレゼンをするとき、調べたことや考えたことを全部伝えたいと考えてしまう。みんな経験はあると思う。この本でも伊藤氏も書いていた。

だけど現実は、聞き手は欲しい情報しか聞きたくないのだ。考えてみれば当たり前だ。聞き手も人間なのだから。

だから自分のエゴを捨てることが必要。そして聞き手の目線になって話すことが必要なのだと。

そしてこんなことも書かれていた。

自分の話を聞いてほしいなら、まず「みんな人の話を聞いていない」ということからスタートしてほしいのです。

僕の言葉で表現させてもらえば、相手を疑うわけではなく、人って相手の話を聞いているようで聞かないものだよね、という意識を持つことだと思う。

 



日本の誤った価値観

本書を読んでスカッとした言葉がある。

さて、もう1つの問題として、「上司に対して、結論を明確にいってしまってもいいものなのか?」ということです。
これは、「上司の言うことを、部下は聞くものである」という間違った幻想がある日本社会においては、案外根深い問題かもしれません。

「間違った幻想がある日本社会」という言葉を読んでスカッとした。たぶんこう感じた理由は、僕は以前ブラック企業で働いていた時期があって、そこの会社では上司の言うことは絶対という価値観があったからだと思う。

「ここの会社はブラックだ」と思った決定的な瞬間は、取締役とまったく会話が成立しなかったことだ。

取締役はただひたすら僕を丸め込めることしか考えておらず、どんな言葉を静かに伝えたとしても、理不尽に怒鳴られるだけだった。

取締役だけでなく、現場のリーダーなどもみんなそうだった。強引なスタイルが美しいとでも考えているのか、ただただ悪質な体育会系の会社であった。

いろんな本に書かれているけど、古い価値観を持った人たちには要注意だと思う。少し話が脱線するけれど、日本社会では古い価値観を持った連中がたくさんいると思う。

どこの会社の重役も、みんな年寄りばかりだ。時代についてこれている人もたくさんいるだろうけど(そう願うけれど)、中には「年上の方が偉い」というような古い価値観を持っている人も少なくないと思う。

日進月歩の時代。新しい価値観を大切にし、若い力を育てていくことが必要だと思う。

話をもとに戻して、上司に意見を提示してよいかという問題だが、ここまで話をした後では今さら感が否めないが、上司に意見や自分のアイデアや結論は提示してよいはずだ。

伊藤氏はロジカルに説明していた。

僕の言葉で書くが、上司が僕らより能力が上であることなんて全く決まってはいない。先ほどの話からすれば、上司の方が古い価値観を持っている可能性が大きいのだから、若い世代の考え方の方が正しい確率ははるかに高い。

上司の方が給料がいいだろうが、それは「大きな責任を持っているから」であって、能力が高いわけではない。

だから若い世代はもっともっと自分の意見を提示してよい。

その新しい意見を上司が判断すればよいだけのことだ。

アイデアや結論を上司に提示することに全く悪いことはない。もちろん事前によく考えて準備することは大切だけど、アイデアの提示を躊躇うことに何のメリットもない。

それから最後に、自分のアイデアや意見を全く聞き入れない会社はブラックである可能性が高い。会社を選ぶときに使ってみてほしいと思う。

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練習しないなんてあり得ない

とにかく練習すること。

いろんな本を読んで、色々な気づきを得られるが、これに勝る言葉があるだろうか。

伊藤氏も練習について触れていた。

プレゼンの練習をせず、ぶっつけ本番で話す方が、私の周りでも本当にたくさんいらっしゃいますが、これはもう、私にとっては理解不能です。

練習することで何が得られるのか。皆さんは考えたことがあるだろうか。

たいていの人は練習してもしなくても同じ、と考えてはいないだろうか。

インターネットが発達し、すぐに調べることができるようになった。

すぐに調べられるのだから、プレゼン中に想定外の質問をされても、その場で調べればよいなんてことを考えている人も少なくないのではないか。

まったくもって論外だと思う。

練習こそが人と差をつける唯一の方法だと思う。これは昔から変わっていないと思う。

練習することで、経験が得られる。経験がその人を形成する。そして経験が相手を動かすカギとなる。

正しいことをどんなにロジカルに正確に伝えたとしても、相手の心は動かない。

相手の心を動かすためには、感動が必要だ。相手を感動させるためには、感動させるほどのパフォーマンスが必要だ。そのパフォーマンスは、経験からしか生み出せない。一朝一夕で手に入るものではない。

だから練習が必要なのだ。

練習をして経験を積もう。

 

最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。

少しでも「1分で話せ」の魅力が伝えられたのなら嬉しいです。

非常にわかりやすく、読みやすい本でした。

そしてプレゼンという場だけでなく、人に何かを伝えるときに持っておきたいマインドが書かれた本でもあると思います。

興味のある方はぜひ手に取って読んでみてください。