サッカー選手 遠藤保仁から学ぶ、シンプル思考と投資家的?な考え方

前書き

サッカー選手が書いた本を読んだ。遠藤保仁選手の本である。名前は「一瞬で決断できる」シンプル思考。内容としては、今までに読んだビジネス書で目にしたこともあったが、この本を手に取って良かったと思っている。

その理由は、サッカー選手の視点から書かれているので、他の本の同じような内容でも、新鮮に感じることができた。

先読み

この本のひとつの大きなテーマとして、先を読むということが挙げられている。

サッカーだけでないと思うけれど、ひとつ先の未来を読んで行動することができれば、相手からアドバンテージを得られるということだ。

このことが、サッカーだけでなくビジネスの場においても同じであると書かれているのだ。

先読みというひとつのことだけを取り上げても、この本の中で様々なことが書かれている。その中でも印象に残ったのは、追い込まれてしまうのは先読みの選択肢をひとつしかもっていないからだ、というものだった。

自分もシステムエンジニアとしてお客様に資料を提示したり、運用の提案をしたりすることがあるが、提案するものが1つであるよりも、2つや3つ提案できると相手も喜んでくれるし、自分も手持ちの武器が複数ある方が安心できる。

サッカーでもビジネスでも、事前の準備が大切であることを、あらためて気づかされた次第である。

常にフラットでいる

遠藤選手は、常にフラットでいることで平常心を保てると書いている。

遠藤選手は周りからマイペースだと言われることが多々あるようで、車で走る時道が空いていてもあえて急がず、法定速度で走ったりすることが多いようだ。(奥さんに「急いで」と言われたときは別らしいが)

つまり周りに流されず、できるだけ自分のありのままの姿でいることが重要であると、僕は理解した。

この話の中で遠藤選手は、Facebookの「いいね」の数やTwitterのフォロワー数に一喜一憂する人たちに触れていた。つまり、この情報社会の中で、大量の情報に振り回されていては平常心を保つことは難しいと言っているのだ。そして普段の生活の中で、過度に反応しないことも大切だと書かれていた。

遠藤選手自身、良い情報も悪い情報も簡単に入ってきてしまう世の中なので、情報はあまり入れないようにしているとのこと。また、フラットでいることで、周りの変化にも気づきやすくなるとのこと。

自分の普段の会社での生活を思い出してみて、ビジネスの世界でも同じだなと思った次第である。




調子が悪くてもそれがその日の100%

この言葉はとても新鮮だった。

遠藤選手は、調子が悪い日があってもそれがその日の100%であると考えるようにしているそうで、スランプは存在しないとまで言っていた。

スランプという言葉を使うか使わないかという議論は置いておいて、その日のベストを尽くすというこの考え方は、僕はとても良いと思った。

調子が悪くても努力して調子を戻そうとするけれど、戻らなくてもそれがその日の100%という考え方だ。

この考え方が良いとか悪いとかを僕は言いたいわけではなく、いい意味で諦めるということは頭の中を整理することに繋がると思うし、いい意味で楽に生きられる考え方だと思った。

投資家的な考え方?

「投資家的な考え方」という言葉は僕が今考えて書いた言葉だ。

遠藤選手はガンバ大阪に移籍するときに、当時のガンバ大阪が25歳くらいの若い選手が多く在籍してることに注目し、2~3年後には優勝争いができると考えたらしい。

これはまさに、投資家的な見方ではないだろうか。

会社という組織においても、年齢層が高い会社は未来が薄いと考えられるし、年齢層が若い会社は単純に潰れにくいと考えることができる。

遠藤選手はサッカー選手でありながら、このような投資家的な考え方まですることができるなんてすごいと思った。本の最後の方でAIに触れ、今後は一層、他人にできない唯一無二のものを持った人が活躍していくと書かれていたが、遠藤選手がサッカー選手を引退した後に、どのような活躍をされるのかとても楽しみだ。きっと先を読んで視野を広げているのだろうから。

余談であるが、遠藤選手が移籍してから、5年後にガンバ大阪は見事優勝を手にすることができたということだ。

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後書き

会社員として生きている自分としては、遠藤選手のサッカー選手としての視線から書かれた本書は、とても新鮮な感じがした。

そして何より、遠藤選手が人生を楽しんでいるということが、ひしひしと伝わってきた。

本書の随所に書かれていたが、人生を楽しみ、その楽しみを自分の唯一無二の能力にすることができる人が、今後活躍していくだろうと。

今後到来するAIの時代に、背中を押してくれた本となった。

ぜひ手に取って読んでみてほしい。